停電の遠因。倒木処理の難しさ。
台風被害として瓦の破損・屋根の破損・外壁の破損と共に樹木の倒木があります。
今回の15号台風被害の原因は倒木によるところが大きいです。
ここまで大きくない場合でも、倒れた樹木が隣家の車を傷つけたり、道路をふさぐようなことが起こったりと樹木の状態は常にチェックすることが必要といえます。
千葉県に上陸した台風15号の被害を目にして、そのすさまじさを感じることになった。もっとも大変なのは、家屋などの破壊だけでなく電力の供給網が寸断され大規模な停電が発生したことだろう。そして1週間過ぎた今も停電は多くの地域で続いているのである。なぜ、こんなに復旧に時間がかかるのか?
停電したのは強風によって鉄塔や電信柱が倒壊したうえに、おびただしい数の倒木が生じたためだろう。倒木が道をふさぎ、事故現場に到達しにくいという問題と、倒木そのものがが架線を切断、もしくは引っかかったままになっている問題が重なっている。倒木処理が停電解消には欠かせないことがわかる。
一般に林業では真っ直ぐな針葉樹(主にスギやヒノキ)を伐採するが、それでも枝葉の出方によって重心がどこにあるのかわかりにくく、不用意に根元を伐ると思いもかけぬ方向に倒れることがある。また、見た目は真っ直ぐな幹でも繊維がねじれている場合もある。倒れている木の場合は、さらに複雑な力が各方向からかかっているだろう。そこにチェンソーで切れ目を入れると、木が割けて跳ね飛んだり、思いもしない方向に倒れたりして、大事故を引き起こしかねない。
さらにかかり木(倒れた木が別の木、あるいは今回のように電線や建物に寄り掛かっている状態)の処理は、難易度がとてつもなく上がる。非常に不安定な状態で、一部を切り落とすと重心が一気に変わる。すると想定とは違う方向に倒れたり幹が回転したり、折れた幹、もしくは枝がまさかと思える距離まで飛ぶこともある。それだけに慎重さが求められる。
今回の災害は、風があまりに強かった台風が引き起こしたものだ。しかし地域に合わせた林業技術を捨て、多様性を失わせた末に放置を招いた林業政策も、処理の難しい倒木を大量に発生させた一因かもしれない。
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