京急、リノベーションして転貸。

トピックス2019年8月24日

鉄道のビジネスモデルといえば、阪急電鉄の事業モデルが有名である。鉄道の敷設だけでなく、ターミナル駅での百貨店開業、沿線の住宅開発、郊外の宝塚劇場やホテルなど娯楽産業の開発を行い、輸送客の増加と不動産利益の獲得に成功した。

輸送サービスという手段に対し、不動産、流通、娯楽といった移動の「目的」となる事業は相乗効果を創出するため、多くの鉄道会社が同様のポートフォリオで事業展開をしてきた。

今回開発時期に整備した住宅地のリノベーションを通してもう一度顧客の確保と地域開発を目指す。

京浜急行電鉄は沿線の空き家物件をリノベーションして貸し出す事業を26日から始める。オーナーから物件を借り上げて同社の負担でリノベーションし、入居者にサブリース(転貸)する。空き家対策につなげ、景観の悪化や倒壊、放火などの問題を防ぐ。住みやすい沿線環境づくりを目指す。

京浜急行電鉄が26日に始めるリノベーション付きサブリース「カリアゲール」の事業スキーム図

サービス名は「カリアゲール」。シェアハウスの企画運営などを手掛ける子会社、Rバンク(東京・渋谷)がオーナーや入居者の募集、リノベーションの企画、賃貸管理などを行う。これまで手がけていた住居用だけでなく、利用者の多い駅周辺ではホステルにするなど、地域特性や物件の状態を踏まえた活用を提案する。

借り上げる物件は、沿線のマンションや戸建て、オフィスビルなどの一部屋から対象とする。物件の改修費用は京急電鉄が負担し、オーナーは手元資金なしで始められる。一定期間中は稼働状況に関係なく、査定した賃料をオーナーに支払う。リノベーションで物件の価値を高め、借り主の支払う賃料との差額で収益を上げる。

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