「空き家等対策の推進に関する特別措置法」No.37

第9条 市町村長は、当該市町村の区域内にある空き家等の所在及び当該空き家等の所有者等を把握するための調査、その他空き家等に関しこの法律の施行のために必要な調査を行うことができる。

2 市町村長は、第14条第一項から第三項までの規定の施行に必要な限度において、当該職員又はその委任したものに、空き家等と認められる場所に立ち入って調査させることができる。

3 市町村長は、前項の規定により当該職員又はその委任したものを、空き家と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空き家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときはこの限りではない。

4 第二項の規定により空き家等と認められる場所に立ち入ろうとするものは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを掲示しなければならない。

5 第二項の規定による立ち入り調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

Q37:第1項の調査の趣旨は何か。

A37:1 本項は、市町村長は、当該市町村の区域内にある空き家等の所在及び当該空き家の所有者等を把握するための調査その他空き家等に関しこの法律の施行のために必要な調査を行うことができる旨を定めている。

2 本項は、市町村が不動産登記簿情報や住民票情報を取り寄せる(いわゆる「公用請求」)ための根拠規定となる一方で、市町村長の任意の調査を行う権限を規定したものである。したがって、本条第2項で定める「立入調査」とは異なり、強制的な調査の根拠規定となるものではなく、空き家等の敷地内等への立入りは規定していない。ただ、敷地内にある玄関で呼び鈴を鳴らす行為など、本項の調査の際も、社会通念上相当と認められる行為は許されると考えられる。 3 この調査には、空き家等の所在及び当該空き家等の所有者等の特定に関する調査のみならず、空き家等対策計画の作成、変更及び実施のために必要な情報を収集するための調査も含まれている。したがって、空き家等の利活用についての所有者等や近隣住民の意向を把握するための調査や空き家等に関するデータベースを市町村が整備するための調査も含む。具体的には、空き家等の所有者等や近隣住民に対する任意の聞き取り調査、敷地外からの外観調査、空き家等やその所有者等についての不動産登記簿情報や住民票情報の調査等の任意の調査を市町村長が行うことが規定される。

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