所有者不明の空き家には略式代執行しかないのか。

トピックス2021年7月18日

先日相談を受けた空き家は自治会館に隣接する倉庫兼作業場のような建物。

もうずいぶん前から建物が朽ちていて台風のたびにトタンが飛んだり板が飛んだりして自治会館の雨樋を破損したこともあるそう。

もうすぐ蔦に覆われてしまいそうです。

法務局で調べてみても建物の登記はされておらず土地の名義も聞いたこともない名前が3名という事でほとほと困っているそう。

10年ほど前から自治会から市役所などに相談しているが、何もできないまま今に至っているとのことで、自治会で解体することも考えながら相談にこられました。

現地を見てみても、建物的には完全に特定空き家の認定をするべき状態ですが、そもそも命令等出す相手がいない状態。こういった場合の対応策はあるのか・・・。

空き家法ではこういったケースには略式代執行で対応しています。

以前紹介した行政代執行・略式代執行取組事例集の中でも多くの略式代執行を実施しています。

略式代執行の場合問題になるのが解体費用の回収の問題です。

今回のケースのように解体後の土地に関しても価値がなさそうな場合には財産管理人制度も難しそうなので結局自治体の費用による解体になると思われます。

そこで考えられるのが空き家対策総合支援事業補助金を使うというもの。

空き家対策総合支援事業は「空き家等対策の推進に関する特別措置法」における財政面での支援措置の一つです。

自治体においていくつか条件がありますが、そこをクリアできれば空き家の解体、除却についても利用できます。
今回のケースは、地域環境の整備・改善を目的とし、解体後は自治会のポケットパークや防災倉庫の設置場所などが除却後の活用としてイメージできます。

費用については
・国費:2/5が交付対象限度額
・地方公共団体: 2/5が交付対象限度額
・民間:1/5

という事でかなり負担が軽くなるのではないでしょうか。

こうなる前に空き家の可能性に挑戦!!

https://www.akiyakanrishi.org/

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