「空き家等対策の推進に関する特別措置法」No.1
平成27年5月26日から完全施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」ですが、空き家の所有者はもとより空き家に携わる仕事をしている我々にとっても分かりずらい内容だと思います。
しかしこの問題は所有者の方にとっては緊急性もあり金銭面での負担を伴う場合もありますので少しでもわかりやすく読み解いていきたいと思います。
ここでは第1条から順にQ&A方式で理解を深めていきたいと思いますのでお付き合いください。
第一条(目的) この法律は、適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するため、空家等に関する施策に関し、国による基本指針の策定、市町村(特別区を含む。第十条第二項を除き、以下同じ。)による空家等対策計画の作成その他の空家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めることにより、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とする。
Q1:第1条の趣旨は何か。
A1: 本条は本法の目的規定である。
本法は、適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている現状を立法動機としたものである。
本法が視野に入れる空き家問題には、防災、衛生、景観上の問題のほか、例えば腐朽した建築物の崩落等による「安全の確保」、空き家の中で繁茂した樹木が道路上にはみ出すこと等による「交通の妨害」等も含まれるであろう。※
このような現状から地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空き家等の活用を促進するため、空き家等に関する施策に関し、国・都道府県・市町村の緊密な連携による空き家等対策計画の作成その他の空き家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めるものであり、これにより空き家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とするものである。
※なお、「防犯」については、空き家対策として何らかの措置を講ずるよりは、直截に警察等によって不審者や不良少年に対応する方が適当であることから、本法の目的規定には掲げていないが、各地方自治体の条例等において、空き家対策の目的として掲げることを妨げるものではない。