「空き家等対策の推進に関する特別措置法」No.54
第12条 市町村は、所有者等による空き家等の適切な管理を促進するため、これらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする。
Q54:第12条の趣旨は何か。
A54:1空き家等の所有者等は、自ら「周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空き家等の適切な管理に努める」義務がある(法第3条)が、そのような最低限の空き家等の適切な管理は無論のこと、空き家等の資産価値を維持する観点からも、適切な管理を所有者等が行うのであれば、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすことがないことはもとより、所有者等は空き家等の資産価値の劣化を防ぐことができ、将来の当該空き家等の有効活用にも資することができる。
2 そのため、所有者等が空き家等を適切に管理することを促進すべく、本条は市町村が市政だよりや広報等を通じて、あるいは転出届けや死亡届の際のチラシの配布や相談等を通して、あるいは空き家等の所有者等への個別の接触をもって、例えば時々の通水、換気、清掃等の適切な管理によって空き家等の劣化を防ぐことができる旨あるいは適宜の除草、立木竹の伐採、枝打ちなどにより近隣の迷惑を防ぐべき旨をアドバイスしたり、空き家等を自ら常日頃管理することが難しい所有者等に当該空き家等を適切に管理する役務を提供する専門業者の情報を提供するなど所有者等による空き家等の適切な管理の促進に資する情報の提供や助言をする努力義務を定めたものである。
3 本規定を踏まえ、例えば自ら所有する空き家等をどのように活用し、又は除去等すればよいかについてのノウハウの提供や、引っ越し等により今後長期にわたって自宅を不在にせざるを得ない場合における今後の対応方針の相談を当該建築物等の所有者等が市町村に求めることが必要である場合が想定されるため、市町村はその要請に迅速に対応することが可能な体制を整備することが望ましい。なお、体制整備に当たっては、空き家等を巡る一般的な相談はまず市町村において対応したうえで、専門的な相談については宅地建物取引業者等の関係事業者や関係資格者等専門家の団体と連携して対応するものとすることも考えられる。
また、空き家等の所有者等に限らず、例えば空き家等の所在地の周辺住民からの当該空き家等に対する様々な苦情や、移住、二地域居住または住み替えを希望する者からの空き家等の利活用の申入れに対しても、市町村は迅速に回答することができる体制を整備することが望ましい。