「空き家等対策の推進に関する特別措置法」No.83
第15条 国及び都道府県は、市町村が行う空き家等対策計画に基づく空き家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、空き家等に関する対策の実施に要する費用に対する補助、地方交付税制度の拡充その他の必要な財政上の措置を講ずるものとする。
2 国及び地方公共団体は、前項に定めるもののほか、市町村が行う空き家等対策計画に基づく空き家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、必要な税制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
Q83:第2項の趣旨は何か。
A83:1 第15条第2項は、国及び地方公共団体が市町村が行う空き家等対策計画に基づく空き家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、必要な税制上の措置その他の措置を講ずることを規定したものである。
2 例えば、現在、居住用家屋の敷地については、いわゆる「住宅用地に対する固定資産税等の課税標準の特例」として地方税法上、その固定資産税等の課税標準額を最大6分の1にする特例措置が講じられているところ、空き家等の敷地について、この固定資産税等の住宅用地特例が引き続き適用されている場合が存在した。
この固定資産税等の住宅用地特例が、管理状況が悪く、人が住んでいない家屋の敷地に対して適用されると、比較的地価が高い地域においては当該家屋が除却した場合と比べて固定資産税等が軽減されてしまうため、空き家の除却や適正管理が進まなくなる可能性があるとの指摘が存在する。
なお、人の居住の用に供すると認められない家屋の敷地に対しては、固定資産税等の住宅用地特例は適用されない。
3 特に空き家の中でも、「特定空き家等」は地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしているものであるから、その除却や適正管理を促すことは喫緊の課題である。そこで、空き家等対策の適切かつ円滑な実施にまさに「必要な税制上の措置」として、平成27年度税制改正の大綱において「法に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空き家等に係る土地について、住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の対象から除外する措置を講ずる」旨の記載がなされ、これに関連した平成27年度地方税法等の一部改正案が第189回国会において成立し、法第14条第2項に基づく勧告の対象となった特定空き家等に係る土地を固定資産税及び都市計画税の課税標準の住宅用地特例の対象から除外されることとなった。
4 このような勧告を受けた所有者等は、例えば特定空き家等を除却したり、勧告措置を履行し適切な管理がなされるようになった空き家等を賃貸したりするなどして、特定空き家等の除却や空き家等の適正管理、利活用等が進むことが期待される。なお、そもそも勧告にいたる前に所有者等が自発的に空き家等の除却や適正管理等を行うことも併せて期待される。
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